B型肝炎ワクチンは母子感染以外でも接種すべき

出生後2ヶ月目から可能になる予防接種ですが、そのうちの一つB型肝炎ワクチンについて解説していきます。

B型肝炎とは

B型肝炎ウイルスによって感染するのがB型肝炎です。

B型肝炎に感染すると、肝臓に炎症が起こり、肝臓の働きが悪くなったりします。

症状が現れる場合とそうでない場合がありますが、感染に気づかず、そのまま放っておくと、肝硬変や肝癌になるケースもあるため、注意が必要です。

B型ということで肝炎には他の種類も存在します。

A型、B型、C型、D型、E型とウイルス自体は他にも存在しています。

それぞれの型によって急性肝炎になりやすかったり、慢性肝炎になりやすかったりと若干の違いはありますが、その中でもなぜ、B型だけが予防接種の対象なのでしょうか?

それは圧倒的に日本人での感染が多い型がB型とC型だからです。

C型肝炎ウイルスのワクチンも接種した方がと感じる人もいるかもしれませんが、B型肝炎ウイルスに感染する乳児は重症化する危険があるためです。

また、感染経路にも少し違いがあります。

B型肝炎ウイルスは母子感染を起こしますが、C型肝炎ウイルスはその頻度が極めて低いとされています。

母子感染について少し詳しく解説します。

母子感染とは

母子感染とはどういうものでしょうか?

簡単に言うと、お母さんから赤ちゃんに感染することです。

当然、インフルエンザなどがお母さんから赤ちゃんに感染することを言うのではありません。

お母さんと赤ちゃんならではの感染経路があるのです。

それが大きく分けて3つあります。

(1) 胎内感染・・・赤ちゃんがお腹の中で感染する

(2) 産道感染・・・分娩が始まって産道を通る時に感染する

(3) 母乳感染・・・母乳によって感染する

この感染の特徴は多くは、お母さんは感染を引き起こすウイルスを持っていますが、症状としては無症状で経過しています。

症状があれば、病院に行って薬などを飲んで、対処していることがほとんどなので。。。

B型肝炎ウイルスは血液中に存在するため、血液検査を行う必要があります。

症状がないのにわざわざ血液検査を行い、B型肝炎ウイルスがあるかを調べる人はいないと思います。

妊娠後の健診でB型肝炎ウイルスにかかっていると判明する人も少ないないです。

その為、以前はB型肝炎ウイルスを罹患しているお母さんから生まれてくる赤ちゃんにだけ、ワクチンを接種していました。

それだけ母子感染には注意していたということです。

母子感染以外は大丈夫?

それなら、お母さんが感染していない場合は予防接種の必要がないのでは?

政府も初めはそのような考え方でした。

その為母子感染防止目的の場合のみ保険適応でワクチン接種を行っていました。

母子感染を防止すればB型肝炎ウイルスへの感染が減少していくと考えられていましたが、実際はなかなか減少しないのが現実でした。

母子感染以外にも保育園の園児や先生による集団感染。

父親などによる家庭内感染。

子供の場合、母親以外からも感染のリスクがあり、2016年よりワクチン接種が定期接種に変わりました。

その為、お母さん自身がB型肝炎ウイルスに感染していなくても、子供には予防接種を行うよう推奨されています。

接種時期

接種時期に関しては定期接種に場合、初回接種に関しては基本的に他の予防接種同様2ヶ月目から開始になります。

しかし、お母さんがB型肝炎に感染している場合は初回接種が出生直後となっています。出生後12時間以内が推奨されています。

また、母子感染のリスクがない場合でも、家庭内感染のリスクなどが考えられる場合は出生直後に初回接種を受けることができます。

その場合は医師の判断となりますので、相談してみて下さい。

接種回数

接種回数は基本的に3回となっています。

定期接種の場合は生後2ヶ月目に初回

2回目は1回目より4週間開けなければいけません。

3回目は1回目より20〜24週開けなければいけません。だいたい生後7〜8ヶ月程度です。

母子感染の場合は1回目が出生直後となりますので、2回目、3回目の時期も定期接種に比べて早まります。

生後12ヶ月までは定期接種ですが、それを過ぎても任意接種でいつでも接種することはできますが、費用は病院にお問い合わせ下さい。

基本的に3回の接種で効果は20年以上続くと言われていますが、効果には個人差があります。

生後12ヶ月までには3回接種を終えるよう、予防接種のスケジュールを立てましょう!

副反応

B型肝炎ワクチンの副反応としては

発熱

発疹

接種部位の痛み・痒み・腫れ・発赤・しこり

吐き気

下痢

食欲低下

などがみられますが、いずれも頻度は低く、症状は回復していきます。

稀に、アナフィラキシーショックやギラン・バレ症候群などがみられることもあります。

しかし、B型肝炎ワクチンは世界中で接種されているものであるため、安全性は比較的高いと思ってもらって大丈夫です。

いずれも他のワクチンと同じような副反応であるため、B型肝炎ワクチン特有の副反応は報告されていない為、安心して下さい!

まとめ

B型肝炎ウイルスは体液や血液を介して感染するため、当然成人になっても感染の可能性があります。

人の血液に触れることなんてないだろうと思っている人がいるかもしれませんが、血液の成分は赤色ではないものも多く、目で見て判断することができないものもあります。

その為、知らない間に触れてしまっていたなどど言うことは誰にでも起こり得ることです。

しかし、まずは、感染すると慢性化しやすく、感染率も高い乳児期に感染しないために早い時期からの予防接種を行うよう心がけましょう!!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました