子供の成長過程の一つであるハイハイとずり這い。
この二つの違いを考えたことはありますか?
些細なことかもしれませんが、この二つには違いがあります。
7ヶ月検診くらいになるとずり這いかハイハイができる子供も多くなっているため
先生にもハイハイできるか尋ねられることもあると思います。
そこできちんと発達段階を伝えるためにもこの二つの違いを知っておくことは
大切だと思い、投稿することにしました。
ずり這い
まず最初はずり這いです。
子供の成長過程的にもずり這いの方が早く獲得できます。
動きは言葉の通り
「体をずりながら動く」
ということです。
腹ばいという言い方をする人もいるかもしれませんが、同じ動きです。
イメージとしては匍匐前進が一番近いですが、まだ自分の重心を左右に移動させる
ことがあまり上手くないためなんだかぎこちない動きになることも多いです。
しかし、このぎこちなさがとても大切です。
子供はずり這いを行うことでハイハイの準備をしているのです。
ずり這いは移動することが大切なのではなく、重心の移動をどうするか学習することが
大切になります。
どのように体を傾ければ腕を伸ばすことができるのか?
腕をどれくらい伸ばすと転ぶのか?
体(体幹)の使い方などを学習する過程になります。
もちろん子供はそんなことは考えていません。
体が勝手に学習していきます。
しかし、我々親がこの学習の助けをすることは可能です!!!
何をするかというと・・・
この時期の子供は好奇心がさらに広がります。
この好奇心がとても大切です!!
私たちも何もない部屋で上を向いて寝ていたらどうなりますか?
動くことをしないと思います。
動いても何もないからです。
しかし、周りによくわからないものがたくさん置いてあったらどうしますか?
手にとって何か見てみたいと思いませんか?
子供はまさしくその状態です。
周りにあるもの全てが子供には新鮮です。
おもちゃはもちろん、リモコンやスリッパ、カバンやズボンのひもまで・・・
好奇心旺盛な状態なのでなんとかその物を触ろうとします。
その時にずり這いで重心移動を学習しているのです。
少し、専門的な話ですがまだずり這いが間もない子供が片腕だけ伸ばして
物を取ろうとする動きをすることがあります。
この動きの体重移動を分析すると
手を伸ばしている方は浮いているので体重はかかっていなく
残りの
「反対の手」「手を伸ばした方の足」「手を伸ばしていない方の足」
3つに体重がかかることになります。
しかし、この3つに均等に体重がかかっているわけではないのです。
「反対の手」と「手を伸ばした方の足」
この2つに体重が分散されることになります。
これは後のハイハイの準備になります。
このように成長の過程に合わせて体重移動などを覚えていくのです。
だからこそあまり、子供の動きを制限するのではなくある程度自由に行動させてあげて
ください。
その際は誤飲や転倒に注意してくださいね!
ハイハイ
ずり這いの次はハイハイに移動手段が変化していきます。
ハイハイは「四つ這い」という言い方もします。
動きとしては両手のひらと両膝が床について
「左手と右足」「右手と左足」
といったように対側の手足が同時に前に出るような動きです。
よく子供にねだられる「お馬さん」がまさに四つ這いです。
ずり這いと違い、お腹は完全に浮いている状態です。
そのため、体幹にはある程度の筋力が必要になってきます。
ハイハイができる頃にはお座りもかなり安定しているのではないでしょうか?
それほどハイハイとは高度な運動なのです。
そしてハイハイを獲得すると移動速度が劇的に変化します。
これは経験した親ならわかると思いますが、
ハイハイになった途端一瞬目を離したすきに足元まで移動している
なんてことが日常茶飯事になってきます。
なぜそこまで極端に移動速度が変わるかというと
ハイハイはバランスを取るのが難しい=不安定ということになります。
人に限らず全てのもの共通することですが
バランスが良い=安定している→動きにくい
バランスが悪い=不安定→動きやすい
ずり這いに比べて格段にバランスが悪くなるハイハイですが
言い換えると動きやすくなったのです。
だから移動速度が段違いに早くなるのです。
繰り返しになりますが、ハイハイは体重移動が複雑でとても難しいです。
だからこそずり這いで体重移動の練習を行う必要があるのです。
まとめ
ハイハイとずり這いの違いを整理すると
お腹が床についているかいないかということが大きな違いになります。
たかがお腹されどお腹
といった感じですね。
子供からすればお腹をあげるかあげないかで難易度が全く異なります。
移動速度も劇的に変わるため、好奇心がさらに増してきます。
その分一瞬たりとも目が離せないと感じる親も多いのではないでしょうか?
これが意外とストレスになることが多いです。
親も人間ですから、食事のため料理をしたり、トイレに行ったりすることがあります。
その間に転んだり、何か予期せぬことが起こるのではと考えるかもしれません。
余談ですが、子供が産まれると予期せぬことが普通に起こります(泣)
この前我が子は足踏み式のゴミ箱のペダルの隙間に指を挟みました・・・
子供の成長は嬉しいですが、苦労が絶えません。
少し目を離しても大丈夫なようにベビーサークルやバウサーなどを用意するのは有効な手段
だと思います。
ただ、子供の発達には好奇心が必ず必要になりますので、その好奇心を目一杯
伸ばしてあげてください!
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