生まれてまもなくすると赤ちゃんの肌の色に変化はありませんでしたか?
なんとなく黄色が強くなっているような?
あるいは目の白い部分が本来真っ白のはずが、なんだか濁った黄色になっていたりしませんか?
これが所謂「黄疸」というものです。
赤ちゃんの黄疸は比較的多くの子供に見られるため、過度に心配する必要はありませんが、不安はつきものだと思います。
我が子も黄疸がなかなかぬけず、訪問してくださった助産師さんからは少し気になると言われたりしました。
そんなこと言われたら親としては不安倍増です。
結局2ヶ月ほど経ってようやく黄色味が抜けてきました。
今回は我が子の経過も踏まえて、黄疸について解説していきます。
黄疸
原因
黄疸の原因となるものがビリルビン(Bilirubin)と呼ばれる物質です。
聞き慣れない言葉かも知れませんが、このビリルビンは血液に多く含まれています。
血液の中でも酸素を運ぶ働きを行う赤血球が古くなり壊された時にビリルビンが排出されます。
このビリルビンは肝臓に運ばれておしっこやうんちと共に排泄されます。
ビリルビンは黄色い色素のため、おしっこやうんちが黄色く見えるのはそのためです。
しかし肝臓が悪く上手く排泄できない場合に体内でビリルビンが多くなり、皮膚などに沈着し、肌が黄色く見えます。
日本人は黄色人種と言われ元々肌が黄色いため、黄疸の判断は目の白い部分黄色くなっていることで判断します。
新生児黄疸
新生児黄疸の最も一般的な原因には、次のものがあります。
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生理的黄疸(最も多い)
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母乳哺育
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赤血球の大量破壊(溶血)
生理的黄疸
生理的黄疸には大きく分けて2つの原因があります。
・月齢の高い乳児に比べて赤血球の分解が速く、ビリルビンの生産が増加する。
・肝臓が未成熟であり、月齢の高い乳児と同じようにビリルビンを処理して体外に排出することができない。
ほぼすべての新生児で生理的黄疸がみられます。
生理的黄疸は一般に生後2~3日目に現れます(生後24時間以内に現れる黄疸は、深刻な病気によるものである可能性があります)
生理的黄疸は通常、他の症状を伴わず、1週間以内に治まります。生後2週間時点で黄疸が残る乳児では、生理的黄疸以外の高ビリルビン血症の原因がないか調べる必要があります。
我が子も2週間健診の際に黄色味が気になるようでしたが、黄疸計で計測した結果そこまで心配する値ではなかった(実際の数値は忘れてしまいました)ため、経過観察になりました。
その後もなかなか白目の濁りが取れず、小児科受診もしました。(その時は体重の増加などの相談が第一目的でしたが・・・)
採血を行い、ビリルビンの数値も計測してもらいました。
先生的には手足も白くなってきているし、目の黄色がまだ残っているけど大丈夫だと思う。
しかし、大丈夫の確認のため採血で調べておきましょうと言った感じでした。
結果も問題ない数値ということで心配しなくて大丈夫とのことでした。
新生児は正常値が大人と異なるため、検査値上は高値になりますが、小児科の先生が問題と言っているので間違いないと思います。
小児科受診の時点で生後1ヶ月半程度過ぎていたので、基本的に黄疸が酷くならない場合は徐々に抜けてくるので安心して下さい。
我が子の黄疸がなかなか抜けなかったのは次の母乳哺育も原因の一つでした。
母乳哺育
母乳哺育にも大きく分けて2つの原因があります。
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母乳哺育黄疸(比較的多い)
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母乳性黄疸
母乳哺育黄疸は、生後数日で発生して、典型的には生後1週間以内に治まります。
母乳が少なく十分な母乳を飲めていない新生児に起こります。
このような新生児では排便回数が少ないため、排泄するビリルビンが少なくなります。
新生児が母乳を飲み続けて、乳の摂取量が増えれば、黄疸は自然に消えます。
母乳性黄疸は、母乳哺育黄疸と異なり、生後1週目の終盤に起こり、生後2週間までに治まる場合もありますが、数カ月にわたって続く場合もあります。
母乳性黄疸は肝臓から体外へのビリルビン排出を妨げる母乳中の物質が原因です。
完母で行っている方はこの母乳性黄疸の影響で長引く場合もあるため、前述したように重要なのは悪化していないかということになるので、日々の様子をよく観察することが大事だと思います。
また、早めに小児科を受診するのもおすすめです。
なぜなら先生がその子の黄疸の経過を観れるからです。医療は経過を見ることが大事なので1週間前と比較してどうかなど比較の対象があるかないかで先生の判断も変わってきます。
心配ならば先生にも一緒に経過を観てもらうくらいの気持ちで受診して下さい。
赤血球の大量破壊(溶血)
新生児の肝臓の処理能力を超える大量のビリルビンが生成されることもあります。
溶血の原因はいくつかあり、原因が以下であるかどうかによって分類されます。
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免疫疾患
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免疫疾患以外
免疫疾患が原因である場合、乳児の血液中に赤血球を攻撃して破壊する抗体が存在することで、溶血が起こります。
この破壊は、胎児の血液型が母親の血液型と一致しない場合に起こります。
血液型不適合にはRh式血液型不適合とABO血液型不適合があります。
赤血球の大量破壊につながる免疫以外の原因として、出生時に損傷を負った新生児では、皮膚の下に血液がたまる(血腫)ことがあります。大きい血腫の中で血液が破壊されると、黄疸が起こることがあります。
また、糖尿病の母親から生まれた乳児では、胎盤から血液が過剰に移行することがあります。この過剰な血液が破壊され、黄疸が起こることがあります。
重大な問題
ビリルビンレベルが過剰に高いと、脳組織に到達し、正常な脳機能を妨げる可能性があります。
これをカーニクタス(Kernicterus)と言います。
初期段階では、意識が低下し、筋肉が弱くなり、授乳が悪くなります。
続いて、新生児がさらに意識を失い、イライラし、発熱、声が高くなり、けいれんがみられます。
初期段階で迅速に輸血治療が行われれば、脳が永久的に損傷するのを防ぐことができ、神経障害の重大性を軽減させることが可能です。
しかし、治療が行われなければ、症状は悪化し、首と背中が硬くなります。
まとめ
黄疸がなかなか良くならないと不安になります。
新生児は日々の観察が重要になると改めて感じさせられました。
助産師さんのアドバイスで、日光浴は黄疸の解消に良いとのことです。
なかなか、新生児を外に連れて行くのは勇気がいるかも知れませんが、家の中から太陽光に当てるだけでも良いとのことです。
完母で頑張っているママは黄疸がなかなか引かなくても悪化していなければ大丈夫です。
横ばいでも大丈夫!
必ず良くなるので長い目で見てください。
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