K2シロップの重要性と回数の変化を徹底解説

皆さんはK2シロップの説明を受けました?

多くの場合は入院中の母親に説明があったと思います。

そのため、父親である私はK2シロップについて詳しい内容を理解していませんでした。

特に3年ほど前に生まれた上の子の時は退院後K2シロップを飲むことはしていませんでした。

しかし、今回生まれた子は退院後毎週1回K2シロップを飲むようにと指導されました。

この違いはなんなのか???

そのように思いながらK2シロップを飲み切ってしまいました。

そんな悩みを持った人にはぜひこの記事を読んでもらいたいです。

K2シロップの重要性を理解できると思います。

K2シロップとは?

K2シロップはビタミンKを補うための薬です。

(ビタミンKにもいくつかの種類がありますが、そこは割愛させていただき、ビタミンKとして表記します)

我々がビタミンKをどこで作っているかというと腸内細菌が産生しています。

人間の腸には数えきれない程の細菌が生息していると言われています。

善玉菌や悪玉菌、ビフィズス菌等を耳にしたことがあるかも知れませんがこれらが腸内細菌の一つです。

生まれたばかりの新生児は数日間腸内が無菌状態のためビタミンKを産生できません。

その為、ビタミンK欠乏になりやすいのです。

ビタミンK欠乏によるリスク

新生児メレナ(新生児ビタミンK欠乏性出血症)

新生児が血を吐いたり(吐血)、血の混じった便を出す(下血)病気の総称です。

生後2~4日目くらいに起こりやすく、消化管からの出血であることが多く上記の症状が出ます。

K2シロップ内服で症状が治るという報告もされています。

もちろん、出血しない為に予防投与も重要だということです。

頭蓋内出血(乳児ビタミンK欠乏性出血症)

こちらは名前の通り脳内で出血を起こすことです。

生後3週間から2ヶ月の乳児期早期にみられる出血症

約半数が亡くなったり、後遺症が残ったりと予後はあまりよくありません。

さらにこの頭蓋内出血は肝胆道系疾患を有する児ではハイリスクとなっています。

胆道閉鎖症などの肝胆道系の基礎疾患がある場合はビタミンKの吸収障害によってビタミンK欠乏症を発症しやすいとされています。

早期発見、早期治療が欠かせません。

我々が肝胆道系疾患を発見する手掛かりになるのが「うんち」です!

母子手帳に便の色を確認するカードが付いているのをみたことがありますか?

肝胆道系疾患がある場合はうんちの色が薄くなります。胆汁の排泄に障害があり、うんちに色が付かない為です。

「白っぽいうんちは危ない」と聞いたことはありませんか?

肝胆道系に問題があり、胆汁が排泄されていないと、ビタミンKの吸収が障害され、予後不良の頭蓋内出血をきたすリスクが高くなる、つまり、命の危険に晒されていると理解していただいてい大丈夫です。

普段どのようなうんちをしているかと把握することが大切です。

「なんだかいつもと違う」と感じたら迷わず医療機関に受診して下さい。その異変に気づく為にもうんちは両親ともに変えるといいかも知れませんね。

母乳とミルク

この二つの違いもビタミンKには大きな影響があります。

母乳

母乳は母親の血液から作り出されます。

母乳を作る過程で何でもかんでも母乳に入ってしまうと赤ちゃんに悪影響を及ぼしかねません。

例えば、母親が風邪をひいている場合、全てのものが母乳に入ってしまうと感染しているウイルスまで母乳を通して赤ちゃんにうつってしまいます。

その為に、母乳を作る際はBlood -Milk-Barrierと言われるバリアが働きます。これにより感染源から赤ちゃんを守ってくれます。

しかし、良いことばかりではありません。

このバリアをビタミンKが通りにくいため、母乳中にはビタミンKが少ないのです。

同じような理由で生まれる前の赤ちゃんも胎盤をビタミンKが通りにく為、生まれてすぐの新生児はビタミンKの蓄えも少なく、腸内で産生できず、母乳からも受け取ることができないのです。

ミルク

ミルクの場合は新生児の特徴を把握した上で作られているため当然ビタミンKを多く含んでいます。

その為、完母の赤ちゃんに比べるとビタミンKを摂取する機会が多いです。

生後1ヶ月の時点で1日の半分以上をミルクにしている場合はK2シロップ内服を中止しても良いと言われていますが、ミルクとシロップでビタミンKの過剰摂取になるという報告はされていないため、あまり気にしすぎなくても良いと思います。

回数

K2シロップの回数にはきちんとした規定がなされていない現状があります。

・哺乳確立時、生後1週(産科退院時)1か月健診時に3回ビタミンKを内服させる方法(3回法)

・哺乳確立時、生後1週(産科退院時)以降生後3か月まで1週ごとに合計13回内服させる方法(3ヶ月法)

・それら以外と、ビタミンKを内服させる方法にはばらつきがあります。

しかし、ばらつきがあるのは医療現場や親に混乱を招きかねないということで

ビタミンKの過剰摂取の報告がないことや

欧米で3か月法を採用している国が多くあること

日本産婦人科・新生児血液学会や日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会からそれぞれ推奨が出されている

3ヶ月法で統一する動きになっています。

そのため、上の子と下の子で摂取の仕方が異なっていたようです。

まとめ

3ヶ月法となると自宅で10回ほどK2シロップを飲ませることになります。

上手く飲めれば問題ないのですが、うちの子はなかなか上手く飲めなかったです。

K2シロップの重要性を理解していないと「本当に必要なのか?」と疑問に思っていましたが、赤ちゃんの特徴を考えるとなくてはならないものです。

1週間に1回ということで忘れがちになるものなので、曜日を決めておくと良いです。

我が家は比較的喉が渇きそうな入浴後にあげていました。

決して飲みが良いわけではありませんでしたが、頑張って飲んでいるなと思いながら見守っていました。

きちんと理解することが大切であると改めて感じさせられました。

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